分子高次系機能解明のための分子科学-先端計測法の開拓による素過程的理解に関する研究

A03班 生体高次系

高次系A01班 高次系A02班
 連動性が分子の機能を生み出す最も典型的な例がタンパク質です。タンパク質の分子としての特徴は、その立体構造が安定性とともに柔軟性をあわせ持つところにあり、多様なダイナミクスが幅広い時間帯にわたって存在します。これらは互いに連動し、タンパク質の機能を生み出しています。したがって、タンパク質の分子としての動的特性を明らかにすることは、機能発現の理解に直結する分子科学としての重要な課題です。
 本研究項目では、独自の分光学的方法論と装置を駆使して、他の手法ではアプローチできないタンパク質分子のダイナミクス観測に挑戦します。単離されたタンパク質のダイナミクス解析、細胞内のタンパク質のダイナミクス解析の両面から研究を進め、タンパク質の動的性質と機能発現との相関の解明を目指します。
TOPICS
時間分解分光法で観るタンパク質の機能に関わるダイナミクス

時間分解分光法で観るタンパク質の機能に関わるダイナミクス
● テーマ

(1)タンパク質ダイナミクス観測のための新しい手法の開発
(2)ダイナミクス観測・解析によるアロステリック機構の解明
(3)分光イメージングによる細胞内ダイナミクスの観測と反応機構の解明

● キーワード

タンパク質ダイナミクス、時間分解分光学、空間分解分光学、単一分子分光学

● 研究分野

分光学、顕微光学、生体分子科学

● 計画研究課題

時間分解共鳴ラマン分光法によるタンパク質アロステリック機構の動的構造基盤の解明

代表 水谷 泰久 (大阪大学理学研究科・教授)

石川 春人 (大阪大学理学研究科・講師)

水野 操 (大阪大学理学研究科・助教)

白色レーザーを用いた細胞内生体分子の動的多光子分光イメージング

代表 加納 英明 (東京大学大学院理学系研究科化学専攻・准教授)

液体ヘリウム温度での単一分子分光による酵素の構造・機能相関の研究

代表 松下 道雄 (東京工業大学大学院理工学研究科・准教授)

藤芳 暁 (東京工業大学大学院理工学研究科・助教)

光合成膜タンパク質間相互作用と膜形態変化を時空間で追跡する3次元超解像顕微分光法

代表 熊崎 茂一 (京都大学大学院理学研究科・准教授)

● 公募研究課題

エックス線1分子計測によるイオンチャネル開閉ダイナミクスの解析

代表 清水 啓史 (福井大学医学部・講師)

青木 義満 (慶応大学理工学部・准教授)

岩本 真幸 (福井大学医学部・助教)

今野 卓 (福井大学医学部・准教授)

老木 成稔 (福井大学医学部・教授)

センサー型ロドプシンの分子科学:機能と構造変化の連関性

代表 須藤 雄気 (名古屋大学大学院理学研究科・准教授)

時間分解分光法によるミクロからマクロにおよぶタンパク質の反応ダイナミクスの理解

代表 井上 圭一 (名古屋工業大学大学院工学研究科・助教)

プロトン・水素結合と生体分子の理論化学

代表 佐藤 啓文 (京都大学工学研究科・教授)

生細胞内1分子FRET法による回転モータータンパク質のダイナミクス計測

代表 飯野 亮太 (東京大学大学院工学系研究科・講師)

蛋白質中に存在する低障壁水素結合の特性解析

代表 上久保 裕生 (奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科・准教授)

イオンチャネルタンパク質KcsAのイオン透過に伴う分子形態変化観測

代表 楯 真一 (広島大学大学院理学研究科・教授)

膜タンパク質の生理分子科学

代表 小倉 尚志 (兵庫県立大学大学院生命理学研究科・教授)

中島 聡 (兵庫県立大学大学院生命理学研究科・特任准教授)

柳澤 幸子 (兵庫県立大学大学院生命理学研究科・特任助教)

タンパク質疎水性表面に関する水和構造予測アルゴリズムの開発

代表 中迫 雅由 (慶應義塾大学理工学部・教授)

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