東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所

研究所について

研究所について

所長挨拶

 東京工業大学・科学技術創成研究院・化学生命科学研究所の所長になりました、山口猛央と申します。本研究所は、本学の加藤与五郎教授の特許収入の寄付により、1939年2月に東京工業大学・資源化学研究所として設置され、その後、本学の組織改革により2016年4月より化学生命科学研究所となりました。約85年の歴史があります。

 前身の資源化学研究所も含め多くの研究業績をあげてきました。2000年にノーベル化学賞を受賞された白川英樹先生が導電性高分子研究を成功されたのも本研究所であり、吉田賢右先生の生物分子モーターの発見など、多くの研究成果があげられています。

 化学生命科学研究所では、「分子を基盤とする化学および生命化学に関する基礎から応用までの研究の深化、発展を通じて、新しい学理の創成と次世代科学技術の創出を実現し、人類の高度な文明の進化と、より豊かで持続的な社会の具現化に貢献する」というミッションを掲げています。

 現在、社会で求められる科学技術は多岐に広がり、今後も、地球環境や健康・医療など、社会の成熟や人々の考え方の変化と共にリスクや課題が変遷していきます。また、時代が進むと、課題解決に必要な科学技術も変わり、今までとは異なる研究やアプローチ法が必要になります。未来の課題からバックキャストした科学技術を進めるとともに、幅広く、高度な基礎研究を進めていくことが重要となります。また、将来的には、情報技術やロボット技術なども含め、異分野の技術も取り込まなければ世界と戦えません。新しい研究アプローチを取り入れながら、基礎研究およびそれに根ざした応用研究を進めなければなりません。

本研究所では、分子を基盤とし、新しい研究アプローチも取り込みながら、応用化学と生命科学の2分野において、世界を先導する研究を生み出しています。また、さらなる発展のため、分子創成化学領域、分子組織化学領域、分子機能化学領域、分子生命化学領域に、新たに分子先駆化学領域を加えた5 つの研究グループ構成としました。それぞれに教授、准教授、助教の研究グループが置かれ、世界を先導する研究を展開しています。

 教員は物質理工学院応用化学系および生命理工学院生命理工学系の学生の教育に積極的に関わり、また、本学の大学院教育全体にも貢献しています。本研究所には30代の若手教員が多く、研究室の学生と一緒に切磋琢磨しながら多くの研究成果を生み出しています。

所外での活動としても、2009年より東北大学多元物質科学研究所、大阪大学産業科学研究所、北海道大学電子科学研究所、九州大学先導物質化学研究所と共にネットワーク型の全国共同利用研究拠点として「物質・デバイス領域共同研究拠点」活動を実施しています。また、5 研究所が連携するアライアンス事業も進めています。全国の大学および研究所と連携したネットワークにより知識や人材の交流を進め、幅広く研究成果をあげています。

 今後も、化学生命科学研究所は、「化学」を基盤とした新たなサイエンス、それに根ざした応用研究を展開していきます。

2024_Yamaguchi.png

ページトップへ