分子創成化学領域
中村・岡田研究室
有機合成を基軸とした生命機能の解明と制御、創薬戦略
私たちの研究室では、有機合成化学をベースに、新しいがん治療を目指した創薬研究、ケミカルバイオロジー研究分野における技術革新を目指した研究を展開します。特に、がん細胞の低酸素環境を標的にした創薬研究、がん中性子捕捉療法のためのホウ素キャリア開発、タンパク質表面での局所環境下で選択的に機能するタンパク質分子修飾法の開発等に取り組んでいます。有機合成した化合物は生物活性、標的タンパク質の同定、機能評価を自らで行います。そこから得られる結果は新たな分子デザインにフィードバックし、より優れた生物活性分子・機能性薬剤の創製、新しい分子標的、ケミカルバイオロジーの新規方法論の開発を目指しています。
教授 | 中村 浩之 | |
准教授 | 岡田 智 | |
助教 | 三浦 一輝 |
- 2024年04月
- 複素環化合物の環拡大骨格編集技術の開発
分子創成化学領域
吉沢・澤田研究室
芳香環およびペプチド空間を活用したナノ道具の開発
私達の研究室では超分子化学を基盤に、合理設計した芳香環やペプチドパーツの自己組織化を利用して、前例のない「空間機能」や「高次構造」を持つ"便利なナノ道具"を開発しています。生体内では水中・温和な条件で、優れた分子識別や分子変換が達成されています。これらはタンパク質の自己組織化によって形成した生体ポケットで実現しています。私達は、生体系を凌駕する人工的な「ナノ道具」を作製・活用することで、合成化学や材料化学、物性化学、生化学などの幅広い研究分野の新展開を目指しています。
教授 | 吉沢 道人 | |
准教授 | 澤田 知久 | |
助教 | 田中 裕也 | |
助教 | Catti Lorenzo | |
- 2023年11月
- ジペプチドを精密に識別する芳香環ナノ道具の開発
分子組織化学領域
福島・庄子研究室
先端分子化学で挑む機能物質の創製
様々な物性を有する分子群の創製と、精密な分子集積化を可能にする手法の開発を通じ、有機・高分子からなる「ソフトマテリアル」の革新的機能を開拓しています。光吸収・発光特性、電導性、磁性など、物性に富むπ電子系分子群をモチーフに、立体構造、電子構造、適切な元素・官能基の導入などを戦略的に考え、機能創製に向け合目的的に分子をデザインします。合成した分子は、「自発的組織化」や「ナノサイズの足場」などを利用して空間特異的に集積化し、巨視的にも分子の配列が制御された機能材料を創製します。また、π電子系分子の特徴を活かして、これらを配位子とした遷移金属錯体を構築し、新しい機能を備えた集積型錯体および反応触媒への展開を行っています。
教授 | 福島 孝典 | |
准教授 | 庄子 良晃 | |
助教 | 福井 智也 | |
助教 | 竹原 陵介 | |
特任助教 | Martin Colin John | |
特任助教 | Moreno Da Silva Sara |
- 2023年04月
- 剛直なトリプチセン三座配位子を用いた亜鉛酸化物クラスターの構築
分子組織化学領域
西山・三浦研究室
高分子ナノテクノロジーを基盤とするスマート診断・治療システム
一次構造を精密に制御し、位置選択的に官能基を導入した精密高分子材料に薬剤担持機能、ターゲティング機能、環境応答機能を創り込むことによって生体内で高度な機能を発現するスマート診断・治療システムの研究開発を行っています。これにより、効果に優れ副作用の少ないがん治療、次世代バイオ医薬品(抗体、オリゴ核酸)の実用化、生体機能イメージング、医療機器との融合による超低侵襲治療などを実現することを目指しています。また、新たな概念に基づく、医用高分子材料の開発にも取り組んでいます。
教授 | 西山 伸宏 | |
准教授 | 三浦 裕 | |
特定准教授 | 野本 貴大 | |
助教 | 本田 雄士 | |
助教 | 六車 共平 |
分子組織化学領域
宍戸・久保研究室
光分子配列技術の開発とソフトメカニクスの開拓
宍戸・久保研究室では、高機能かつ高性能な高分子材料の創製を目指して、分子設計・物性測定からデバイス作製・評価まで幅広く研究を行っています。光による新たな分子配向法を開拓するとともにソフトメカニクスを探求し、既存の常識を打ち破る次世代材料の提案を行います。その応用は、ホログラムやディスプレイなどのフォトニクス材料から力学設計を基盤としたエレクトロニクス材料や医療材料まで多岐にわたります。
教授 | 宍戸 厚 | |
准教授 | 久保 祥一 | |
助教 | 久野 恭平 | |
助教 | 相沢 美帆 | |
- 2024年07月
- 液晶高分子修飾ナノロッドによる色素ドープ液晶の非線形光学効果の増強
分子機能化学領域
(旧)藤井研究室
レーザーを用いた超高速現象の観察・制御
2台以上のレーザーを同時に用いる様々なレーザー分光法を開発し、分子や分子集合体(クラスター)の構造と反応素過程を解明しています。このような測定や方法論の開拓を主体とする化学は、化学に新分野を拓く可能性がある上、化学関連分野に対しても大きな発展性を有しています。一つは生体関連分子への発展で、神経伝達など精緻な分子認識機構の分子論的原理解明を目指しています。また、この方法が極めて高感度であることを利用した新たなリアルタイム環境分析法の開発も環境科学との学際的な共同研究になっております。このような新たな方法論の開発は我々物理化学の重要な役割で、物理と化学の境界領域のフロンティアを目指してます。
特定教授 | 藤井 正明 |
分子機能化学領域
山元・今岡研究室
"精密無機化学"を基盤とする金属-有機ハイブリッド
ー近未来ナノ材料の創出を目指してー
巧妙な生命機能を司る金属タンパク質に代表される有機-金属ハイブリッドナノ材料は金属と有機物とで無限の組み合わせがあり、金属の特性と自在な設計が可能な有機骨格の特長を活かして多重機能の発現が期待されています。無機元素は110種類近く有りながら、未だに無機・金属を自在に組み立てる事が極めて困難な状況です。種類豊富な無機元素を原料に精密にナノ構造体を自在に組み上げる方法の確立が、未知の次世代ナノ材料の誕生に繋がる事は言うまでもありません。革新的な機能材料を目指し、精密無機機能化学からのアプローチは次の重要なナノテクの戦略として強く望まれています。
我々のグループでは精密無機機能化学を基盤として新しい領域を拓くための新概念の創出を目指し、あわせて、環境、生体機能、エネルギー科学などに波及する革新的な機能を持つ未来ナノ材料の創製に挑戦しています。
教授 | 山元 公寿 | |
准教授 | 今岡 享稔 | |
助教 | 森合 達也 | |
助教 | 吉田 将隆 | |
特定准教授 | 神戸 徹也 | |
特定講師 | 塚本 孝政 |
- 2024年03月
- 新奇機能を発現する「合金サブナノ粒子」触媒の設計と創製
分子機能化学領域
山口・黒木研究室
地球環境と持続的発展可能社会のための
高機能化学システムの構築
環境問題、エネルギー・資源枯渇問題など地球規模の問題の解決、豊かな生活持続のための医療・医薬技術の進展、リサイクル技術など、どの分野でも新しい機能材料・プロセスの開発が必要不可欠です。これらの分野では、単純でなく精緻で複雑な機能を示す材料デバイス及びプロセスが要求されています。こ れら高機能な化学システムは、最先端の要素技術とこれらを統合する画期的なアイデアにより生まれます。分子レベルから材料を合成し、デバイス化、プロセス化を俯瞰的に考慮し、社会および地球のために真に必要な科学技術のブレークスルーを目指します。材料自身をシステムとしてとらえ、複数の素材を有機的に結びつけ、新機能を発現する"機能材料システム"および、そのプロセス化までを対象とします。具体的には、燃料電池、バイオマテリアルの創製から、持続発展可能な地球環境保全技術へと展開します。
教授 | 山口 猛央 | |
特定教授 | Gopinathan M. Anilkumar | |
准教授 | 黒木 秀記 | |
特任准教授 | 宮西 将史 | |
助教 | 菅原 勇貴 | |
助教 | 奥山 浩人 | |
特任助教 | Shishkin Maxim | |
特任助教 | Narayanaru Sreekanth | |
特任助教 | Janardhanan Jandas |
- 2024年08月
- 機械学習を活用した最適な防汚性ポリマーブラシ表面の予測
分子生命化学領域
田中・吉田研究室
細胞の増殖・代謝をめぐる基本制御構造の解明と応用
生物資源の有効活用は、エネルギーや環境など我々が直面している諸問題の解決に必須の課題です。そのためには、細胞の増殖や代謝能力を自在にコントロールすることが必要ですが、このような細胞システムの挙動を操作するための「論理的枠組み」は現在も明確にされていません。本研究室では、細胞をその進化から問い直し、実験的手法によりコアとなる制御系の実体に迫ろうとしています。そしてここで得られる成果を、特に光合成生物を用いたバイオマス生産や、細胞増殖の制御によるバイオテクノロジー諸領域への応用に展開しようと考えています。
教授 | 田中 寛 | |
准教授 | 吉田 啓亮 | |
助教 | 前田 海成 | |
助教 | 大坂 夏木 | |
- 2023年12月
- レドックス制御系が植物の光合成に果たす必須性
分子生命化学領域
北口研究室
タンパク質工学とケミカルバイオロジーによる
新規バイオセンサー分子と測定法の創出
生物の主体であるタンパク質の中には、人工的に模倣しがたい高い分子認識能や触媒能を持つものが数多くあります。しかし天然タンパクは応用の観点から必ずしも最適な性質を持つとは限らず、我々はここにタンパク質工学の醍醐味があると考え、さまざまなタンパク質の、合目的デザインと分子進化的技術、さらにケミカルバイオロジー的技術を用いた創製を試みています。目的にかなった方法を開発し、それを駆使することで、天然ではできない芸当ができるタンパク質が創製できるものと期待しています。
准教授 | 北口 哲也 | |
助教 | 朱 博 | |
助教 | 安田 貴信 | |
IRFI特任教授 | 久堀 徹 | |
- 2024年06月
- 酵素スイッチの創出を目指した耐熱性β-グルクロニダーゼの多量体化制御
分子生命化学領域
(旧)久堀・若林研究室
光合成微生物の有効活用を考える
光合成生物は、光エネルギーを生物が利用できる化学エネルギーに変換してい ます。光合成生物が地球上のエネルギー循環の底辺を支えているわけです。太古 の昔、水を分解し酸素発生を行う光合成微生物が出現し、大気中の酸素濃度が上 昇しました。その結果、呼吸というエネルギー代謝経路が可能になり生物の爆発 的な繁栄につながったと考えられています。私たちは、この光合成生物のエネル ギー変換機構とその調節機構を理解し、生産性の向上などの応用研究に役立てる ことを目指して研究しています。
- 2021年11月
- 光合成生物特有のATP合成酵素制御メカニズムを解明
分子先駆化学領域
館山・安藤研究室
エネルギー・環境問題の解決を目指した計算・データ材料化学
エネルギー・環境問題に関連する物質・材料の重要課題(電池・触媒の開発など)を対象に、先駆的な計算(第一原理・統計力学)・データ化学技術を用いてその微視的メカニズムを明らかにし、材料開発はもちろん物理・化学および材料科学の学理の発展に貢献することを目標に研究を行っています。特に次世代蓄電池・触媒材料のデザイン、その根幹となる電気化学、界面科学、イオニクス理論の発展に現在取り組んでいます。またスーパーコンピュータ「富岳」を用いたハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)によるこれまでにない材料化学の展開も進めています。
教授 | 館山 佳尚 | |
准教授 | 安藤 康伸 | |
助教 | 佐々木 遼馬 | |
助教 | 中嶋 武 | |
特任助教 | LUONG Huu Duc | |
特任助教 | ZHOU Zizhen | |
- 2024年01月
- スーパーコンピュータ「富岳」を用いた蓄電池界面化学・イオニクス機構の解明
物質・デバイス領域 共同研究拠点
小坂田研究室
新しい結合・構造・機能をもつ有機化合物の化学
特任教授 | 小坂田 耕太郎 | |
- 2019年06月
- 橋架けケイ素・ゲルマニウム配位子による後期遷移金属多核錯体の新機能