受賞・プレスリリース
- 2019.07.16
藤井正明 教授がフンボルト賞を受賞
藤井・石内研究室の藤井正明 教授が2019年度フンボルト賞を受賞しました。
フンボルト賞は、ドイツ政府の国際的学術活動機関であるアレキサンダー・フォン・フンボルト財団が創設した賞で、人文、社会、理工の分野において、後世に残る重要な業績を挙げ、今後も学問の最先端で活躍すると期待される国際的に著名な研究者に対して授与されるものです。ドイツで最も栄誉のある賞とされています。
今回の受賞の対象となった主な研究は、分子クラスターのピコ秒時間分解振動分光並びに気相分光の生体分子システムへの応用です。前者は光化学反応初期課程である溶媒再配向運動や基本的な光化学反応である水素原子・プロトン移動反応を赤外スペクトルの時間変化により初めて直接リアルタイムで測定することに成功した研究です。後者はこれら気相レーザー分光の特長を生かして生体分子の分子認識機構解明に対して新たな方法論を提示したことが評価されたものです。
藤井正明 教授(左)とフンボルト財団理事長 ハンスークリスティアン ペープ教授(右)授章式にて(シャロッテンブルグ宮殿)
賞
フンボルト賞
授賞式
2019年6月27日
受賞者
藤井正明 教授
受賞実績
分子クラスターのピコ秒時間分解振動分光並びに気相分光の生体分子システムへの応用
フンボルト財団コメント
藤井教授は分子クラスターにおける分子認識と反応ダイナミクスに対する先駆的な業績でよく知られています。藤井教授は分子レベルで化学反応機構における溶媒効果を理解するためにリアルタイムで溶媒のダイナミクスを測定するレーザー分光法を開発しております。ドイツにおいては、溶媒和ダイナミクスにおける溶媒間相互作用と生体分子の分子認識に対してこの研究を発展させる予定です。
藤井教授はベルリン工科大学のドッファー教授がホストとなっています。
受賞者コメント
アレクサンダー・フォン・フンボルト先生・生誕250周年の記念すべき年にフンボルト賞を頂戴し、感激と深い感慨に浸っております。これも共に日夜研究を進めてくれた石内俊一准教授、宮崎充彦助教(現特定准教授)、酒井誠准教授(現 岡山理科大教授)、歴代の博士研究員と学生の皆さん、そして長年の共同研究者であり、本賞を推薦してくださったオットー・ドッファー先生(ベルリン工科大教授、本学WRHI特任教授)のおかげと心から感謝申し上げます。このような研究成果を得られたのは本学の研究を重視する精神と環境整備の賜物であり、現学長であり初代科学技術創成研究院院長・益一哉先生、現院長・小山二三夫先生、久堀徹先生をはじめとする歴代の化学生命科学研究所所長の先生方、生命理工学院院長・三原先生、そして関係する先生方に深く感謝申し上げます。最後に、私を存分に研究させてくれた家内(今日子, 2010没)といつも元気付けてくれる子供たちに感謝申し上げます。
ベルリン工科大・オットー・ドッファー教授(本学WRHI特任教授)と共にレセプションにて