東京科学大学 総合研究院 化学生命科学研究所

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受賞・プレスリリース

  • 2026.01.05

電池材料の「協奏的なイオン輸送」を可視化する新理論を開発

東京科学大学 総合研究院 化学生命科学研究所の安藤 康伸 准教授、東京大学 大学院工学系研究科の佐藤 龍平 助教、澁田 靖 教授、東北大学 材料科学高等研究所(WPI-AIMR)のサウ・カーティック 特任講師らの研究グループは、流体力学の流れ場の考え方を応用し、電池材料におけるイオンの集団輸送を可視化する新しい解析手法を開発しました。

研究グループは固体電解質の分子動力学シミュレーションを実施し、シミュレーション中で実際に起こるイオンの協奏的な輸送を、イオンの変位ベクトル同士をつないで構築する「有向グラフ解析」により可視化することに成功しました。さらに、このグラフからイオン伝導度を計算したところ、厳密な統計力学に基づくイオン伝導度の計算式の結果と一致することを確認しました。これにより、固体電解質中で「いくつのイオンが連動して動いているか」という描像を直接得るとともに、集団運動とイオン伝導度を1対1で結びつける新しい理論式を確立しました。本成果は、協奏的な運動を制御して電池性能を高めるための物理化学的基盤を提供するものであり、次世代の固体電解質設計に役立つことが期待されます。

本研究成果は2025年12月12日(米国東部時間)に「Chemistry of Materials」に掲載されました。

論⽂情報

●掲載誌 Chemistry of Materials
●掲載日 2025年12月12日
●著者 佐藤 龍平*, 安藤 康伸, Kartik Sau, 澁田 靖
●タイトル Visualizing Concerted Ion Migration of Superionic Conductors via Directed Graphs
●DOI 10.1021/acs.chemmater.5c02374

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