RESEARCH_PROJECTS

シアノバクテリア遺伝子発現制御技術の開発

近年、光エネルギーを利用可能なシアノバクテリアを用いた物質生産研究が盛んになってきました。そのほとんどは、炭素を中心とした化合物の生産です。私達は、空気中の窒素を固定できる糸状性シアノバクテリアAnabaena sp. PCC 7120 (A. 7120) に着目し、光エネルギーを利用した窒素系化合物の生産を目指しています。(詳しくはハイパーシアノバクテリアの光合成を利用した含窒素化合物生産技術の開発(CRESTサイトへジャンプ)をご覧ください。

A. 7120 は、光合成を行う栄養細胞から、窒素源飢餓に応答して10-20個に1個程度の割合でヘテロシストと呼ばれる窒素固定に特化した細胞を分化させます。この細胞の窒素固定機能を改変することで、効率的な窒素系化合物生産ができると考えています。しかし、そのためには、「最適な時間に、最適な細胞で、最適な量の、最適な酵素遺伝子群」を発現させる必要があります。すなわち、「時間・空間」という2つの因子を軸にして、遺伝子発現を制御する技術の開発が必要不可欠です。時間の面で遺伝子発現を活性化あるいは抑制する技術は開発済みです。現在、時間に加え空間、すなわち細胞種特異的に任意のタイミングで遺伝子発現を制御するシステムを構築中です。