若林憲一准教授のページ
プロフィール
- 緑藻クラミドモナス Chlamydomonas reinhardtiiを用いて、「小さな生き物が行きたい方向に行くしくみ」を研究しています。
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顕微鏡を覗くのが好きです。学部3年生の実習でクラミドモナスに出会い、暗視野顕微鏡で観察したときの美しく可愛らしい泳ぎと、鞭毛を電子顕微鏡で観察したときの精密な構造の虜になりました。以来、アプローチは様々に変えながら、材料は一貫してクラミドモナスを用いています。
学生時代は、神谷律教授(現・東大名誉教授、学習院大客員教授)のご指導の下、クラミドモナス変異株鞭毛の運動性解析、鞭毛の周期的構造の構築に関わるタンパク質の機能解析などを行いました。その中で、鞭毛運動という事象に対して、細胞生物学、分子生物学、生化学、遺伝学、構造生物学といった多面的なアプローチで切り込んでいくスタイルを学びました。
博士研究員時代、コネチカット大学のStephen M. King教授に師事し、ダイニンの生化学的な研究に従事しました。その中で、レドックス(酸化還元)調節という概念に出会いました。それを「鞭毛運動・細胞運動のレドックス調節」という方向に発展させ、いくつかの研究を発表した結果、現在久堀徹教授と一緒に研究させていただくご縁ができました。
いまは「鞭毛の構築メカニズム」と「鞭毛の運動調節メカニズム」という2つの問題に興味を持って研究しています。特に注力しているのが、私達がしばらく前に発見した「クラミドモナス走光性のレドックスによる正負切り替え」のメカニズムです。細胞内レドックス状態変化が、どのように2本の鞭毛運動を変化させて遊泳方向変化につながるのか、その過程の分子メカニズムを明らかにしたいと思っています。
生理学・生化学・遺伝学といった多様なアプローチを組み合わせた独自の研究手法を使って、真核鞭毛の美しい構造がどのようにして組み立てられ、どのようにして操られるのか、という問題に切り込んでいきます。
<研究室を志望する学生さんへ> 私達の研究に興味を持つ、やる気のある学生さんの参加を歓迎します。大学院入学志望の学生さんの、現在の専門は問いません。(私は物理・化学選択で大学受験して生物学科に進学しました。学生時代は動物学教室、博士研究員ではDept. Biochemistryに属し、いまは植物学や微生物学が専門の研究スタッフに囲まれて、楽しく研究しています。)多様なバックグラウンドをもつ人が集まることで生まれるシナジー効果を期待しています。
- 研究に関わるキーワードは、レドックス、カルシウム、ダイニン、真核生物鞭毛・繊毛、走光性など。
- 経歴
2016年4月 - 現在 東京工業大学 科学技術創成研究院化学生命科学研究所 准教授
2013年9月 - 現在 東京工業大学 大学院生命理工学研究科分子生命科学専攻 准教授(兼任)
2012年11月 - 現在 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 化学環境学専攻 准教授(兼任)
2012年11月 - 2016年3月 東京工業大学 資源化学研究所 准教授
2007年4月 - 2012年10月 東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻 助教
2005年11月 - 2007年3月 東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻 助手
2002年4月 - 2005年11月 Postdoctral Fellow, University of Connecticut Health Center
2002年4月 - 2003年3月 Postdoctral Fellow, The Lalor Foundation
2001年4月 - 2002年3月 基礎生物学研究所 細胞情報研究部門 非常勤研究員
2001年3月 東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻 博士課程 修了 博士(理学)
1998年4月 - 2001年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC1)
1998年3月 東京大学 大学院理学系研究科生物科学専攻 修士課程 修了
1996年3月 東京大学 理学部生物学科(動物学コース) 卒業